『正倉院古文書影印集成』など買受けをさせて頂きました

千葉県千葉市のお客様よりご依頼を頂き、お宅に伺い古書をお譲り頂きました。

今回のお客様は大学の先生をされていた方で、拝見させて頂いた書籍は専門的なものが多くありました。
珍しい書籍はどれも収集に苦労したので手放すのは惜しいけど、自分はもう読まなくなってしまったので、このまま本棚の肥やしにしてしまうよりは次に読んでもらえる人の手に渡ったほうが本にも良いだろうと思い、当店の買取査定を選んで頂けたそうです。
そんな希望にそえるように、一点ずつ丁寧にご査定させて頂きました。

大変貴重な書籍を数多くお譲りして頂きましたが、その中から今回ご紹介するのは『正倉院古文書影印集成』です。
こちらの書籍も、長い間紐に縛ったまま読まずに保管していたそうです。

『正倉院古文書影印集成』は、奈良時代の写経所が残した膨大な古文書群を収録した書籍です。
収録されている正倉院古文書は奈良時代研究の基礎として重要視されていますが、大変貴重な資料のため写真撮影し、それを原版として印刷される「影印本」として研究に使用されています。
内容は、写経以外にも戸籍や税に関する公文書から私文書まで、当時の様子が伺われる大変貴重な資料ばかりです。

このような影印本は馴染みが薄いと思いますが、研究に用いられる資料の他にも『竹取物語』や『方丈記』、『伊勢物語』など、様々な作品が発行されています。
底本の原寸通りの印刷はもちろん、縮刷拡大も自由自在で、現在では撮影や印刷技術も向上していることもあり、研究用途以外での活用も増えてきています。

ただ、こういった書籍は発行までに手間が掛かっている分販売価格が高く、全巻揃えるとお値段もそれなりになりますので、なるべく出費を抑えようと古書で買い求められたい方も多く、古書市場でも一定の需要があります。

今回お譲りして頂けた書籍は状態も良く、また流通数が少なくあまり見かけないものでもありますので査定も頑張らせて頂きました。

今回は貴重な蔵書をお譲り頂きまして、誠にありがとうございました。
お客様には喜んで頂けて、大事な蔵書の次の読者探しのお手伝いが出来て本当に良かったです。