『日本森林樹木図譜』 他辞典や学術書、雑誌等を買い取りさせて頂きました。
買取品目 | |
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図鑑、学術書 | |
買取方法 | 出張買取 |
お住まい | 千葉県 市原市 |
最寄り駅 | 五井 |
※買い取り価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予め御了承下さい。
※状態や付属品の有無、買い取り方法などによって価格が変動いたします。
スタッフからのコメント
千葉県市原市のお客様よりご依頼を頂き、買い取りに伺いました。
今回のお客様は、小説などの文芸書の他にも図鑑や辞典、学術書などの専門書や雑誌など幅広いジャンルの書籍をお譲りして頂きました。
その中で今回ご紹介する書籍は、『日本森林樹木図譜』です。
本書は、樹木学者の白沢保美が編者として明治33年に農商務省山林局から発行された書籍の復刻版です。
また、明治45年に刊行された『日本竹類図譜』も併録されています。
以前、『原色牧野植物大図鑑』をご紹介させて頂いたことがありましたが、同様に『日本森林樹木図譜』も美しく正確なイラストが多数収録されており、まるで画集を見ているようでいつまでも飽きずに見ていられる図鑑です。
本書の植物の絵は「ボタニカルアート」で書かれています。
「ボタニカルアート」とは「植物学的な芸術」という意味で、単に植物を描いた絵ではなく、植物学的の立場から植物の品種の特徴が正しく正確に描かれている絵画であることが定義となっています。
その起源は、有用な薬草を見分けるために植物を調べて図化したことにあり、その歴史は古代ギリシャの植物学者がまとめた『薬物誌』まで遡り、植物学の領域から発展した科学と芸術の融合から生まれたアートであるといえます。
現代のように実物を写真で撮るなんてことは不可能な時代に、病気などの治療に利用する薬草を見分ける方法として発展している特殊な芸術分野なのかもしれませんね。
そんな、元は医学や薬学の観点から制作された『薬物誌』ですが、写本から写本へ写されていく過程において、実用書から美術的な鑑賞用のアートへと変わっていき、17~18世紀のヨーロッパでは、貴族を中心にボタニカルアートの鑑賞が人気となり、この時代には多くの植物画家が活躍し、アートとしてボタニカルアートを愛好する人が増えていきました。
植物画を描く際には約束事があり、
1.実物大に描く
2.背景を描かない
3.人工的な物(鉢、花瓶等)を描かない
4.植物の特性を変えないこと
の4つのルールに従って描くことが原則だそうです。
正確に美しく書かれた植物画は芸術性、インテリア性が高くお部屋の壁に飾ったりするのもオシャレで素敵ですね。