佐藤　春夫 作品買取

1892年（明治25年）4月9日ー1964年（昭和39年）5月6日　和歌山県出身
詩人・小説家

詩歌と小説を中心に、文芸評論・随筆・童話・戯曲など多岐に渡る活動で、明治末期から昭和まで旺盛に活動した日本の作家です。

佐藤春夫は、1892年に和歌山県東牟婁郡新宮町（現：新宮市）に生まれました。
医師である父豊太郎は文芸にも造詣が深く、正岡子規を私淑した文人でもありました。

そうした環境で文学少年として育った春夫は、中学校在学中に校友会誌や『熊野実業新聞』に短歌を投稿し掲載され、『明星』に『風』の題で投稿した短歌が石川啄木の選に入ります。
その後も次々と短歌を発表し、1909年には『スバル』創刊号に短歌を発表します。他にも『三田文学』に抒情詩や傾向詩を発表して識者の注目を集めます。

1910年に中学卒業後に上京し、生田長江に師事し、与謝野寛の新詩社に入ります。
ここで同人の堀口大學と出会い、堀口とは共に慶応義塾大学に入学するなど交流を深め、終生の友となります。

1913年に『黒耀』の同人となり、9月には大学を中退し、雑誌『我等』の創刊発起人となります。この頃から散文詩の創作の一方、絵筆を執るようになり、『二科展』で入選もしています。

1917年に神奈川県に移り住み田園生活を始め、『病める薔薇』を執筆し、翌年『黒潮』に発表します。『病める薔薇』は1919年に後半を書き足し『田園の憂鬱』として完成させ『中外』に発表します。
また、江口渙・久保勘三郎らと共に同人誌創刊の準備を行い『星座』を創刊し、江口を通して芥川龍之介と谷崎潤一郎と知り合います。

谷崎潤一郎からは生活と作品に大きな影響を受け、谷崎夫人の千代子とは恋愛関係になり、千代子への慕情をうたった詩からなる『殉情詩集』を生みました。『殉情詩集』は口語自由詩全盛の中、文語定型を多用して近代人の繊細な感情を叙情的にうたい上げたことが評価され、小説家・詩人として広く認められました。

その後も、小説や詩などの作品を次々に発表してたちまち新進流行作家となり、芥川龍之介と並んで時代を担う2大作家と目されるようになり、芥川の死去に創設された芥川賞の選考委員も務めました。また、日本文学振興会の理事の一人にもなっています。

戦後も旺盛に活動し、日本芸術院会員になり様々な文学賞の選考委員を務め、自身も読売文学賞や文化勲章を受章しましたが、1964年に朝日放送のラジオ番組『一週間自叙伝』を自宅の書斎で録音中に心筋梗塞を起こし、死去しました。　72歳没

代表作に『田園の憂鬱』『殉情詩集』など

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