石川　啄木 作品買取

1886年（明治19年）2月20日ー1912年（明治45年）4月13日　岩手県出身
歌人・詩人

実生活の感情を日常語で詠い、生活に即した実感が表現された豊かな感傷と叙情が流れた作品で、多くの人から支持された日本の歌人です。

石川啄木は、岩手県南岩手郡日戸村（現：盛岡市日戸）で、住職をしていた父の家庭に生まれました。
小学校時代は神童と呼ばれるほど優秀で、尋常小学校を首席で卒業し、高等小学校でも上位の成績を修めるほどでした。

しかし中学校に入学すると、文学にのめり込み次第に成績が落ち始めます。
その頃、文芸誌『明星』を読み与謝野晶子の『みだれ髪』に感動し、文学への道を志し始め、短歌の会を結成しました。
1901年には友人と共に『岩手日報』に短歌を発表し、「翠江」の筆名で掲載されました。
また、中学校時代には後に妻となる堀合節子や親友の金田一京助などと出会っています。

その後、カンニングがばれたり、出席日数不足や成績の悪さから退学勧告を受け、1902年に中学を中退しました。
中退後に小説化を志し上京した啄木は、『明星』への投稿でつながりのあった新詩社の集まりに参加し、与謝野夫妻を訪ねます。
東京に滞在し、作歌もしましたが結核の発病もあり、1903年に帰郷しました。

『岩手日報』に評論を連載し、その後『明星』に再び短歌を発表して新詩社の同人となりました。この頃から「啄木」の名前を使い始め長詩『愁調』を発表し歌壇に注目され、明星派天才詩人の名声を得ます。

1904年に、詩集の出版を目的として再び上京し、1905年に出版費用を自分で集めた第一詩集『あこがれ』を小田島書房より出版しました。同年に、長年交際していた堀合節子と結婚もしています。

その後、盛岡に帰り『岩手日報』にエッセイの連載などをしながら、啄木が編集責任者となり、文芸誌『小天地』を出版します。『小天地』は岩野泡鳴、正宗白鳥、小山内薫等30人余りの作品を掲載し、地方文芸誌として文壇の好評を得ましたがが、資金問題で継続出版が出来ませんでした。

1906年には、家族を支えるために小学校の代用教員となりますが、この就職は本意ではなかったため現状に満足できませんでした。そんな自身の感情を、漂白する「雲」に象徴し表現した小説『雲は天才である』を執筆しています。

1907年に函館の文芸結社の苜蓿社から原稿の依頼があったこともあり、教職を辞め北海道に移住し、新聞社などの職を転々としましたが、東京での創作活動への憧れが募り、1908年に再び上京します。
東京では、金田一京助の援助を受けながらいくつかの小説を売り込みましたがいずれも成功はしませんでした。
小説家としての才能はあまりなかったようでしたが、同時期に後に『一握の砂』として広く知れ渡る短歌を『明星』に発表しています。
また、文芸雑誌『スバル』の創刊に携わり、発行名義人も務めています。

その後、東京朝日新聞の校正係になり、『二葉亭全集』の編集や短歌投稿欄の選者などの仕事を担当します。
1910年には、東雲堂より第一歌集『一握の砂』を出版し、生活に根差した歌の中に現実になじめない悲哀や、貧困と挫折で鬱屈した心情などを詠い、高く評価されました。

『一握の砂』で成功し歌壇に新風を送り、次の詩集の刊行も予定していましたが、1911年に腹膜炎を患うと、1912年に結核のため26歳の短い生涯を終えました。

晩年まで貧困に苦しんでいた啄木でしたが、死後には第二歌集『悲しき玩具』が刊行され、その後も友人たちの尽力により『啄木遺稿』『啄木歌集』など出版されるなど、共感性の高い作品が今も高い評価を受け続けています。

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