梶原　一騎 作品買取

1936年（昭和11年）9月4日ー1987年（昭和62年）1月21日　東京都出身
漫画原作者・小説家・映画プロデューサー

格闘技やスポーツを題材に、闘う男の姿を描いた名作を数々生み出した日本の漫画家です。
高森朝雄（たかもりあさお）の別名でも活動しています。

梶原一騎（本名：高森朝樹）は、1936年に東京市浅草区石浜（現：台東区清川・板場）に生まれました。
幼少時から、目立ちたがりな性格で喧嘩っ早いこともあり、クラスメートや上級生との衝突が絶えず、父の母校の私立学校をわずか１年で退学になるなどのエピソードがあります。

戦後は一家そろって蒲田に居を移しますが、度重なる素行不良から小学6年から児童相談所に収容され、その後中学3年間は青梅市の救護院「誠明学園」で過ごしました。
この時期に、『漫画少年』で連載されていたボクサーを題材にした山川惣治の『ノックアウトQ』を読んで感動し、この出会いが将来の夢になります。

1952年に商業高校に入学しましたが半年ほどで中退し、本格的に執筆活動に挑んで懸賞小説に応募するなど、作家活動に入ります。
翌53年には、ボクシング小説『勝利のかげに』を雑誌『少年画報』に応募し入選し、17歳にして作家デビューを果たしました。

その後は、スポーツ物の少年小説をいくつか手がけましたが、当時は雑誌の中で小説は人気が落ち始めており、代わりに漫画作品が紙面を占め始めた時代で、活躍の場が狭まっていました。
54年から57年には、漫画雑誌『冒険王』誌上でプロレス漫画『鉄腕リキヤ』の原作を手掛けますが、当時は原作者側の地位がまだ低く梶原の名前は出ませんでした。

そういったところから執筆はスランプに陥り、また元々は文学青年で小説家を目指していたこともあり自身の仕事に疑問を感じていた時期でしたが、そんな梶原に転機となる仕事が決まります。
以前東京中日新聞で連載していた『力道山物語』を読んでいた『週刊少年マガジン』の初代編集長・牧野武朗に力道山を登場させた漫画作品の原作を依頼され、この縁から力道山と親密な関係となり、各界の有力者と面識を得ることになります。

1962年に『週刊少年マガジン』にて連載が開始されたプロレス漫画『チャンピオン太』は、テレビドラマ化もされるなど人気を博し、ドラマでは力道山を本人役で登場させ、また悪役レスラー役にアントニオ猪木が出演するなど、テレビドラマも好評でした。

1966年には、『週刊少年マガジン』にて野球漫画『巨人の星』の連載を開始し、同作は連載当初から人気となり、1968年にはテレビアニメ化もされ、視聴率30％を超える大ヒット作品となります。

1968年からは、ちばてつやとのコンビでボクシング漫画『あしたのジョー』の連載を開始。『巨人の星』との差別化を図る目的からペンネームを「高森朝雄」とし、同作も爆発的なヒット作となります。
登場キャラクタのひとり「力石徹」の死に対し、実際に葬儀が執り行われるほどの社会現象を起こしました。

その後も、『タイガーマスク』『侍ジャイアンツ』『空手バカ一代』などのスポ根ものから、学園恋愛マンガ『愛と誠』など数々の人気作品を手掛けます。

売れっ子作家となった梶原は、1975年ころより映画の世界にも魅力を感じるようになり映画会社「三協映画」を設立し、大山倍達と共にドキュメンタリ映画『地上最強のカラテ』を制作し大ヒットとなるなど、幅広い分野で活躍の場を広げます。

しかし、1983年に『週刊少年マガジン』の副編集長への暴力行為がもとで逮捕され、また違法薬物との関係も疑われ、このような事実は実際にはなく釈放されましたが一連のスキャンダルから連載は打ち切りとなり単行本は絶版となるなど、人気は地に落ちてしまいます。

保釈後は、長年のアルコール依存や暴飲暴食からすい臓炎を患い、わずかな期間に4回の手術を受け、一時は医師から「余命２時間」との宣告を受けるほどの病状でしたが、懸命の治療と本人の体力から奇跡的に生還を果たします。

1985年には、体力の低下と体調の悪化と戦いながらも執筆意欲の高まりから引退記念劇画と銘打ち『一騎人生劇場・男の星座』の連載を開始しますが、1987年年明けに体調不良となり入院し、1月21日に死去しました。
享年50歳

死後の数年間は、晩年のスキャンダルから梶原について語ることはタブー視される風潮がありましたが、1990年代半ばから再評価の機運が高まり、2005年には東京アニメアワードにて、特別功労賞（原作者部門）で受賞するなど、現在も根強いファンが多いです。

代表作に『巨人の星』『あしたのジョー』『愛と誠』など

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