隆　慶一郎 作品買取

1923年（大正12年）9月30日ー1989年（平成元年）11月4日　東京都出身
脚本家・小説家

脚本家として、映画・テレビドラマの人気作品の脚本を手掛けたのち、小説家として時代小説界に一時代を画した日本の小説家です。

隆慶一郎は、1923年に東京市赤坂（現在の港区の一部）で生まれました。
旧制同志社中学、第三高等学校を経て、東京大学文学部仏文科に入学します。

在学中は学徒出陣で出征し、陸軍士官として中国大陸を転戦します。
この際に陣中に持っていた『葉隠』が、のちに作家となり書いた『死ぬこととみつけたり』のきっかけとなりました。
また、大学時代には辰野隆と小林秀雄に師事しました。

終戦後、復学して1948年に東京大学を卒業しました。
その後、小林秀雄が参画していた創元社（のちの東京創元社）に入社します。
編集者として働いたのち、大学でフランス語教師も務めました。

1957年からは、脚本家としての活動を開始します。
脚本家としては、本名の池田一朗で活動して、テレビドラマでは『鬼平犯科帳』『破れ奉行』『大忠臣蔵』など現在でも再放送されている人気作品を手掛け、映画では『にあんちゃん』でシナリオ作家協会賞を受賞するなど、1970年代を代表する脚本家の一人として活躍しました。

1984年からは、『週刊新潮』誌で小説家としてのデビュー作『吉原御免状』を連載します。
小説家としては隆慶一郎をペンネームとして活動し、時代小説を中心に『影武者徳川家康』『一夢庵風流記』などを発表し、人物描写でも特に男の生きざまや人情の描写に非常に優れ、大衆文芸としての要所をつかんだ斬新な作品は時代小説界で大きな話題となりました。

しかし、長く脚本家として活動したのちに還暦を過ぎてからの小説家活動開始と、病気により1989年に急逝したことから、小説家としての活動はわずか5年ほどの短い期間でした。

『一夢庵風流記』は、第2回柴田錬三郎賞を受賞し、1990年にはこれを原作とした漫画作品『花の慶次ー雲のかなたにー』が連載され、主人公の前田慶次郎のキャラクター像を確立した作品とも言われていて、残した作品は今も多くのファンに愛されています。

代表作に『吉原御免状』『一夢庵風流記』『影武者徳川家康』など

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