上橋　菜穂子 作品買取

1962年（昭和37年）7月15日ー　東京都出身
作家・文化人類学者

異世界を舞台にした壮大な冒険ファンタジー小説で多くの読者を魅了している日本の小説家で、また文化人類学者としてオーストラリアの先住民についての研究も行っています。

上橋菜穂子は、1962年に東京で生まれました。
幼い頃から両親は多くの本を読んでくれ、父方の祖母からは民話を聞きながら育ち、幼少期から多くの物語と親しんでいたことから物語を作ることを目指していました。

幼少期から空想の世界に入り込み過ぎてしまう性格で、それを示すエピソードに、初代『ウルトラマン』が最終回で負けてしまったストーリーに大泣きしてしまい、その次の日に母がウルトラマンになりきって手紙を書き励ました、なんて微笑ましいエピソードもあります。

中学生になると欧米の児童文学を読むようになり、高校時代にはトールキンの『指輪物語』に夢中になりました。
高校2年の文化祭のときに、原作・脚本を手掛けた西欧中世悲劇『双子星座』を自主上演し、また旺文社の文芸コンクールに『天の槍』を応募し佳作となり、具体的に執筆願望を抱くようになりました。

高校卒業後は立教大学へ進学し、入学当初は西洋史を専攻するつもりでしたが、授業で山口昌男の『アフリカの神話的世界』に出会い大きな衝撃を受けて文化人類学を学びました。

大学院まで進みますが作家になりたいという思いが消えたわけではなく、むしろ自ら自身の生活圏から出て経験するという研究の文化人類学を学ぶことで、自分が書きたい物語を書くことが出来るのではないかと考えていたそうで、アボリジニの研究のために訪れたオーストラリアで、食事や労働を共にした経験がのちの創作に大きな影響を与えました。

作家としては、1989年に持ち込み原稿として偕成社に送った『精霊の木』でデビューし、1991年には日本を舞台にした『月の森に、カミよ眠れ』を執筆し、翌年には日本児童文学者協会新人賞を受賞し、日本古代を題材にした日本的ファンタジーの書き手として注目されます。

1996年には独自の異世界を舞台にした『精霊の守り人』を発表し、『守り人シリーズ』は児童文学として出版されましたが、一般の児童文学が子どもを主人公にするところ30歳の女用心棒を主人公にするなど、型破りな設定ながら人気を博し、アニメ化や実写ドラマ化もされました。

2014年には「児童文学への永続的な寄与」に対する表彰として贈られる国際的な賞で「小さなノーベル賞」とも呼ばれる、国際アンデルセン賞作家賞を受賞し、ファンタジー小説界の巨匠の一人として活躍を続けています。

代表作に『守り人シリーズ』『獣の奏者シリーズ』『鹿の王』など

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