ローラ・インガルス・ワイルダー 作品買取

1867年2月7日ー1957年2月10日　アメリカ ウィスコンシン州出身
作家・小学校教師

西部開拓時代のアメリカに生きた自身の経験を基にした『小さな家』シリーズで知られる、アメリカの女性作家です。

ローラは、1867年にウィスコンシン州の小村ペピンでインガルス夫妻の次女として生まれました。
父のチャールズは恐慌をきっかけに新しい生活を求めて西部に移住してきた開拓民で、母のキャロラインは小学校教師を務めていました。

チャールズは音楽と詩を愛好して、また読書が好きで開拓民としては珍しく何冊も本を所有していて、生活が苦しいときでも子どもへの誕生日プレゼントに詩集を贈るなどしていて、ローラもチャールズの本と音楽を愛好する資質を受け継ぎました。

インガルス一家は、生活の安定を求めてアメリカ中西部を転々としますが、この頃の生活がのちの『小さな家』シリーズ初期の題材となりました。

移住生活が続くあいだは定期的に学校に通うことが出来ませんでしたが、1879年に移住したデスメットで文字と読み書きの正式な教育を受け、聡明だったローラは15歳で小学校の教壇に立つようになり、他にも洋裁店などの副業で家計を支えました。

18歳のときに、アルマンゾ・ワイルダーと結婚し、アルマンゾの経営する農園は順調で、1年後には長女ローズが生まれ、結婚から数年は平穏な日々を過ごしました。
しかし、当時流行したジフテリアにアルマンゾが感染して瀕死の状態となり、一命を取り留めますが重い後遺症が残り、他にも生まれたばかりの息子の死、火事による家の焼失、干ばつで農場の経営が出来なくなるなど、数多くの試練に直面しました。

1894年に、貯金をはたいてミズーリ州マンスフィールドに新しい農場を購入し一家で移り住み、当初は厳しい生活を送りますが、アルマンゾの親族からの支援もあり、次第に経済的に安定し始め、夫妻は地元の成功者として認められ、ローラは農園経営や家事に関する講演を依頼されるようになりました。

1911年には、地元紙『ミズーリ・ルーラリスト』から依頼を受け短い記事を寄稿し、これが評判となり、同紙の連載コラムニストに抜擢され、連載は数十年に渡り、ローラは中西部の名士となっていきました。

しかし、1929年にアメリカで大恐慌が起きると、一家は再び大きな打撃を受け、農場はなんとか維持出来ましたが、貯蓄の大半を投資で失います。
そのため、ローラは長年の寄稿の経験を活かして、新たな作品を執筆しそれを家計に充てること考えます。

1924年に母キャロライン、28年に姉メアリーが亡くなったこともあり、彼らの記憶を作品に留めておきたいとも考え、すでに文筆家として活動していた娘のローズの応援もあり、開拓民時代の思い出を書いた作品を執筆します。

作品は、当初原稿を送ったニューヨークの編集者から「またお年寄りの昔話…」と相手にされませんでしたが、ローラはめげることなく執筆を続け、その後ローズの協力で大幅に改編され、1932年にニューヨークの大手出版社ハーパー＆コリンズから『大きな森の小さな家』として刊行されました。

『大きな森の小さな家』は大反響となり、一冊で終わるはずが全9冊の『大草原の小さな家』シリーズとなり、同シリーズは単なる子供向けの物語を超えて、アメリカの歴史と文化を伝える「アメリカ児童文学の古典」となりました。

作品は翻訳を通じて世界的に知名度を高め、ローラはアメリカを代表する作家の一人となり、1957年に90歳で亡くなるまで、シリーズにまつわる講演などを行って過ごしました。

『大草原の小さな家』はアメリカでテレビドラマ化され、日本でも1975年からNHKで放送が開始され、その後も数回に渡って再放送され、世代を超えて愛されています。

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