北方　謙三 作品買取

1947年（昭和22年）10月26日ー　佐賀県出身
小説家

日本を代表するハードボイルド作家として知られ、近年では歴史小説の分野でも高い評価を受けています。

北方謙三は、1947年に佐賀県唐津市に生まれました。
幼少期を佐賀で過ごしますが、父が外国航路の船長をしていたため一年のほとんど家族は離れて暮らし、父が帰港した際に横浜に会いに行く度に買い与えられた児童書が、後に物語を生むきっかけとなりました。

10歳のころに父の仕事の関係から川崎市に転居し、中高は東京の学校に通います。
中高生時代に『ロビンソン・クルーソー』や『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んだことをきっかけに、アメリカ文学に傾倒しました。

その後も、ドストエフスキーやヘミングウェイを読破するなど、文学に熱中する青春を送りましたが、高校3年生のときに肺結核に感染してしまい、「修学不可」と宣告されます。
当時、結核はすでに不治の病ではありませんでしたが、病気を機に死を強く意識するようになり、これが創作活動に大きな影響を与えたと後に語っています。

小説家には結核持ちが多いことを知り、結核に罹った自分はエリートだと病をポジティブに捉え、小説家としての道を進むきっかけとなりました。
半年間療養しましたが病は完治せず、進学や就職の道を絶たれ大きな挫折を経験しますが、健康診断書を自ら書き換えて、中央大学法学部に進学します。

大学在学中は、学生運動にも参加する一方、1970年に同人誌に発表した純文学作品『明るい街へ』が、雑誌『新潮』の編集者の目に止まり、同作は『新潮』に転載されて文芸誌デビューを果たしました。

デビュー時は学生作家として高い評価を受け、大学卒業後も仕事をしながら執筆を続けましたが、純文学の分野ではあまり売れず、たくさん原稿を書いても掲載されたのはほんのわずかでした。

その後、集英社の若手編集者から路線変更を勧められ、エンターテインメントに転向します。
1981年に長編ハードボイルド作品『弔鐘はるかなり』を単行本で発表し、二度目のデビューを果たします。

以後、『ブラディ・ドール』シリーズや『檻』などのベストセラー作品を多数発表して、数多くの文学賞を受賞し、作品は映画化もされるなど、ハードボイルド小説の旗手として一躍人気作家となりました。

1989年には、南北朝時代を舞台にした初の歴史小説『武王の門』を発表して歴史小説の世界にも進出し、その後も『水滸伝』『三国志』などの大作を送り出し、歴史小説家としても高い評価を受けています。

また、2000年から2023年まで直木賞の選考委員を務め、他にも吉川英治文学賞、江戸川乱歩賞などの選考委員を務めました。

創作活動以外にも、1986年から2002年にかけて、若者向け雑誌『ホットドック・プレス』にてハードボイルド人生相談「試みの地平線」を連載し、「ソープに行け！」などの名文句が男性読者から人気を集めました。

代表作に『弔鐘はるかなり』『檻』『三国志』など

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