東郷　青児 作品買取

1897年（明治30年）4月28日ー1978年（昭和53年）4月25日　鹿児島県出身
洋画家

モダンな女性の美人画を数多く制作し、雑誌の表紙や絵葉書など目につきやすいもののデザインもしたことから、昭和の美人画家として戦後一世を風靡しました。

東郷青児は、1897年に鹿児島県鹿児島市に生まれました。
幼少期に一家で東京に転居し、中等部を卒業したころから日本橋呉服町の竹久夢二の開いた「港屋絵草紙店」に出入りし、下絵描きなどを手伝いました。
こうして技術を習得したことから、のちの美人画には夢二の影響が色濃く反映されているとされています。

18歳になるころ、作曲家の山田耕筰の東京フィルハーモニー赤坂研究所の一室で制作を行なうようになります。（山田耕筰は作曲家として著名ですが、当時ヨーロッパ絵画の最先端の研究もしていたほど美術に精通していました）
同年、日比谷美術館で初の個展を開き、これをきっかけに有島生馬を知り、以後師事するようになります。

1916年、19歳で第３回二科展に作品『パラソルさせる女』を初めて出品し、二科賞を受賞しました。

その後、1921年から28年までフランスに留学し、当時パリに君臨していたピカソの強烈な作風に影響を受け、ピカソの前衛的な新しい芸術を吸収し、帰国後はそれらを反映させながらもその理論を超えた自分のスタイルを確立した作品を発表します。

作品は人々（大衆）に愛されることが画家の喜びであるとし、「暮らしの中に溶けこみ、身近に親しまれた分野での仕事をフィーチャーしたもの」にしたいと、あらゆる場所に作品を残しました
デパートのエレベーターの扉、本の装丁、包装紙のデザイン、など対象は多岐に渡り、誰もが目にしたり、手にしたりするモノをデザインしました。

戦後は、二科会の会員として会の再建に尽力し、1961年に同会会長に就任すると指導的存在として活躍し、「二科会のドン」とまで言われる存在まで上り詰めました。

晩年まで旺盛に創作を続けましたが、1978年に二科展出席のために訪れていた熊本にて、急性心不全のため80歳で亡くなりました。

ロマンチックな淡い色調の背景と、柔らかな曲線で描かれた艶やかで優雅な雰囲気の美人画は、現在においても人気が衰えること無く、多くのファンを獲得し続けています。

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